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2014年10月10日

シェアハウスで再生

前回の若者目線から見たシェアハウスの投稿記事に引き続き、今回は不動産管理者側の視点からシェアハウスを考察してみようと思う。

2013年度末の全国におけるシェアハウス運営事業者は598社にのぼり、現在、シェアハウス業界は2007年頃と比べて市場規模が約5倍といわれている。全国の7割を占める2000件以上のシェアハウスが都内に集中していることから、シェアハウスは都市型の物件といえる。(一般社団法人 日本シェアハウス・ゲストハウス連盟・株式会社シェアシェア(シェアハウス検索情報サイト) 調べ )

 ◆シェアハウスの運営方法

シェアハウスを運営する方法として、大きく分けて「自己運営型」と「業務委託型(サブリース)」の2つに分けることがでる。日本シェアハウス・ゲストハウス連盟・株式会社シェアシェア(シェアハウス検索情報サイト)の調べでは、全事業者の6割強が「業務委託型(サブリース)」を採用している。理由としては、シェアハウスの管理・運営およびテナント募集には独特なノウハウが必要なため、一般賃貸より確実に手間がかかる。その為、「自己運営型」ではハードルが高いためではないかと思われる。

 ①   自己運営型

物件を所有もしくは借り上げ、オーナーが全て自己責任で開始・運営する方法。特徴としては、自由度が高い反面、金銭面や運営面での振れ幅が非常に大きく、ハイリスクハイリターンの選択となる。

②   業務委託(サブリース)型

一般に物件所有者ではない外部の事業体が介在し、物件の運営を受託する方法。特徴としては、家賃収入が無くても管理を委託している会社に管理費を支払う必要がある為、無収入時でも一定の費用負担が発生する。但し、管理の負担が軽減されるなどのメリットもある。ミドルリスク・ミドルリターンの選択となる。

 ◆シェアハウスの傾向

現在のシェアハウス市場は、大きく分けて以下の3種類に分けることができる。(彩ファクトリー https://www.slideshare.net/masahirouchino/ss-27005423

第一回目の投稿記事でも少し触れていますが、最近の傾向としては「コンセプト型シェアハウス」がトレンドとなっている。日本シェアハウス・ゲストハウス連盟・株式会社シェアシェア(シェアハウス検索情報サイト)の調べでは、「各シェアハウスにコンセプトがある」と回答した事業者は33.3%、「一貫したシェアハウス事業のコンセプトがある」と回答した事業者は41.3%と全体の8割近くに達している。1

図1

 図2

このように、シェアハウスをあつかうオーナー、不動産業界が増えてきたのは何故なのか考察したい。

シェアハウスは現状、遊休物件になりやすいアパート・マンションなどの再活用という側面がある。もともとある建物を活かし、共有スペースとプライベート空間がしっかりと分けられるように改修・リノベーションすることにより、新しく建てる(建て替える)という大きな投資をすることなく十分にシェアハウスとして提供できる。また、トイレ・お風呂・キッチンといった水まわりの設備をひとつに集約することができるので、設置費用などのコストも抑えられる。初期投資費用を抑えつつシェアハウスを始めることができ、遊休物件を活かせられることがシェアハウスをあつかうオーナー、不動産業界が増えてきた要因のひとつだと思われる。

次に、収益性が高いことが挙げられる。不動産投資をする上で最大の心配事は空室(空き家)リスクだと思われる。通常の賃貸物件の場合、空き家(空室)になってしまえば次の入居者が入るまで家賃収入がまったく無い状況が続く。しかし、シェアハウスの場合、全員が同時に退去することはほとんどありえない。そのため、4部屋あったとしても、1部屋でも入居者がいれば家賃収入ゼロというリスクは回避できる。しかも、シェアハウスは1つの住居を複数の人数に貸し出すので、すべて埋まった場合は、高収入が期待できる。もともと家賃15万円の借家だったものを4つの部屋にして1人の家賃を5万円にすることにより、全部屋が埋まればプラス5万円の収益となる。

日本シェアハウス・ゲストハウス連盟・株式会社シェアシェア(シェアハウス検索情報サイト)の調べでは、シェアハウス事業者が運営しているシェアハウスの物件はなんと全体の半数以上で入居稼働率が90%以上となっている。アパート/マンションなどの空き家率の全国平均は23.22%で、賃貸物件の4.3軒に1軒が空き家という現状からみれば、シェアハウスの入居率はきわめて高く、高収益といえる。(2008年度 総務省統計局調べ https://todo-ran.com/ts/kiji/14178

図3

シェアハウスのもうひとつの特徴としては、オーナーや事業者と入居者間で積極的にコミュニケーション・交流がおこなわれていることだ。これまでは、オーナーや事業者と入居者間は一線を引いている場合が多く、あまり交流が無かった。むしろ、入居者側からはそのほうが好まれる傾向にあった。

しかし、シェアハウスの場合、積極的に入居者と交流や意見交換が行われている。今まではハード面(建物・物件、設備など)を充実させることで入居者を誘っていたが、ライフスタイルが多様化した現代では、もはやハード面(建物・物件、設備など)だけを充実させたとしても、他の物件との差別化が難しくなってきていると思われる。その為、ハード面(建物・物件、設備など)だけではなく、ソフト面(コンセプトに添ったサービスの提供、何らかのトラブルや改善策のケアなど)を充実させて、あえてニッチな層にターゲットを絞り、他と差別化を図ることで、生き残りをかけているように思われる。

次回は、外国人からみたシェアハウスについて分析してみたい。

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