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2013年07月05日

新たな音楽ゲームの誕生

菊池さん投稿画像 来る7月6日(土)、日本テレビで放送される音楽番組で、新たな音楽ゲーム(音ゲー)が誕生するようである。「テレビ史上初!リアルタイム音ゲーLIVE 嵐 Feat.You」と題したテレビ史上初の参加型LIVEである。嵐が歌う「A・RA・SHI」に合わせて、スマホ・パソコン・テレビリモコンのいずれかを使用して、音ゲーLIVEに参加できる。

 番組ホームページにアクセスして、嵐の5人のキャラクターのうち好きなキャラクターを選び、音ゲーのようにテレビに表示されるリズムに合わせて、端末のボタンをプッシュする。プッシュしたデータは、ライブ会場に送られ、照明などのステージの演出が変化するのである。Source:日テレ

 しくみとしては、ダンスダンスレボリューションや太鼓の達人と同じように画面に流れる表示に合わせて一緒に踊るということだが、リアルな人と一緒に踊れるということがこの新しいゲームの魅力であろう。

 この番組の存在を知った時、1990年代後半に流行した「ダンスダンスレボリューション」を思い出した。当時は、あらゆるゲームセンターのDDRの機械の周りに人だかりができており、プレイヤーはキレのある動きで周囲を魅了させていた。もはやこれは単なる個人プレーのゲームではなく、周りを巻き込んでいることからいわゆるソーシャルなゲームと言えるであろう。

 このタイミングで、また新たな音ゲーが誕生するということは、音ゲーがますます浸透していく可能性が秘められているからだろうか。そもそも、なぜこのような音ゲーに人々がはまっていくのかを考察し、その心理がこの新たな音ゲーでも通用されるのか考えてみたい。

 まず、人がどのようなモチベーションでこのようなゲームに参加するかについて、近年、注目されるようになってきたゲーミフィケーションの動機づけに沿って説明したい。ゲーミフィケーションとは、簡単に言うと、「ユーザーをひきつけ、課題を解決するために、ゲームの力学=メカニズムを用いるプロセスのこと」である。Source:ニューヨークだより Source:NOTE by Hiromi Kubota

 例えば、Nike+のように、ジョギング履歴を記録し、目標設定を行ったり、友人と共有することによって競争することができる。このように、ゲーム性をもたせることによってユーザーの興味を維持するしくみである。これらのゲームの要素は、個人で遊ぶビデオゲームのようなアクションに挑戦するタイプのゲームではなく、むしろユーザー間で競い合い、協力し合うことに面白さを覚えるタイプのゲームが多い。

 この類のソーシャルな「ゲーム」に参加する動機として、次の6つの要素が揃ったときにユーザーを惹きつけることになると言われている。①地位を獲得したい(=課題を解決したい)、②競争に勝ちたい、③他人から認められたい、④社会的に交わりたい、⑤単なる娯楽欲、⑥モノを所有したいなど様々な気持ち・欲望を満たすもの。①~④は他者との交流により発生する外的なモチベーション、⑤~⑥は個人的な欲求を充足するための内的モチベーションとして、2種類に分けられる。

 音ゲーの話に戻るが、DDRの場合、この6つの欲求をすべて満たしていると言える。リズムに合わせて踊るという単なる娯楽欲から始まり、クリアするごとにもっと難しいことにチャレンジしたいという競争に勝ちたい欲求、自分の演技を他人に披露して認められたい欲求。また、ゲームセンターでは、他のプレーヤーと対戦すること、技を共有することで、社会的な交流を持ちたいと思う欲求である。

 では、このリアルタイム音ゲーの場合だが、この6つの欲求のうち、備わっている欲求といえば、⑤~⑥の内的モチベーションである。テレビの前に立って嵐と一緒に踊り、ゲーム感覚でLIVEを楽しめる娯楽欲と満足感である。リアルタイム音ゲーは、参加者全員で演出を創り上げるというコンセプトからソーシャルなゲームの位置づけにはなっているので、内的モチベーションより外的モチベーションの方が必要ではないかと考える。しかし、このリアルタイム音ゲーには、肝心な外的モチベーションが不十分なように思える。テレビの前に立って嵐と踊り、ボタンをプッシュするだけでは、完全な自己満足だけで終わってしまう。

 このリアルタイム音ゲーを浸透させていくためには、外的モチベーションに繋がるさらなる工夫が必要ではないだろうか。例えば、流行りのソーシャルゲームが行っているように、リズムが合うごとにポイントが加算される、ポイントがある一定に達すると嵐のサインがもらえたり、取得ポイントがFacebookやTwitterで他の人たちとも共有できるなどである。報酬という目標を設定すること、人と共有するという交流性をこのゲームにもっと含むことによって、さらに魅力的なものになり浸透していくのではないかと考える。

 また、嵐のように人気アイドルを起用することは、みんなが楽しめるエンターテイメントに参加する大きなきっかけとなるので、これも重要な要素ではある。

 まずは、7月6日(土)にどのような反響が生まれるのか、テレビの前に立って新たな音ゲーの誕生を見てみたい。

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