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2015年05月15日

【年代別分析】 年表編 年代:45~49歳 女性

年代分析、第5回目となる今回の投稿では、1966年から1970年の間に生まれた女性に着目し、中でも私自身にとって未知なバブル世代の女性に焦点を当てることにした。現在45歳から49歳にあたる世代の女性たちが、どのような背景でどのような価値観を蓄え、今に至るのかを年表形式で考察する。

  1. 1.   誕生(1966年~1970年)「高度成長期」

彼女らが誕生したのは高度成長期の真っ只中。68年には日本の国民総生産が資本主義国の中でアメリカに次いで第2位になり、70年代に入ると「3C」と呼ばれる、カラーテレビ/自家用車(カー)/クーラーが一般家庭に普及した。

影響:経済的に上向き傾向の時代に生まれた彼女たちは、今後の更なる経済成長と技術の発展に貢献してほしいという期待の目で見られていた。

 

  1. 2.   思春期(1)1980年代 – 15歳)「詰め込み教育」

1970年代以降、受験戦争は激化し、授業内では網羅し切れない程に入試も難度を高めた。それに対応するため、出題されそうな知識だけを学生の頭に詰め込むというスタイルの「詰め込み教育」が目立つようになった。80年代前半は詰め込み教育のピークとも言われ、この世代の女性たちは当事者として受験戦争を闘い抜けてきた。

影響:勉強する意味や目的を考える余裕すらなく、知識を頭に詰め込むことだけを強いられた彼女らは潜在的に社会に対する不信や不満を募らせていったと思われる。

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  1. 3.   思春期(2) 1980年代 – 15歳)「竹の子族」

80年代頃になると、原宿の歩行者天国でラジカセから流れる音楽に合わせて竹の子族が踊り狂う光景が毎週日曜日に見られるようになった。彼ら、彼女らはチームを構成し、チーム毎の奇抜な衣装を身にまとい、男女共に化粧を施したり、ギャラリーから注目を浴びながら踊り続けた。競争社会のストレスや暗いニュースに押しつぶされそうになる若者達が、現実を忘れる目的で、このように無我夢中で踊ったとも言われている。

影響:一緒に踊るだけでなく、チーム毎に作った衣装を着て踊ることで、チームに属している安心感と仲間意識が強化されたと考えられる。社会に対する不安を抱えつつも、大勢のギャラリーの前で踊り続けることによって自信を保ち、自分の将来が楽観的であるという暗示を自他共にかけようとしていたのかも知れない。

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  1. 4.   思春期(3) 1980年代 – 15歳)「尾崎豊」

この時代を生きる若者の、息苦しさや大人への不満を代弁したのが尾崎豊とされており、彼は83年にデビュー曲を出し、92年に突然の死を迎えた。学校や大人社会の不条理に対する訴えを、メッセージ性の高い歌詞に詰め込み、若者に共感を与えるカリスマ的存在であった。この頃(80年代)は、戦後から近年までを見ても最も少年犯罪が増えた時期であり、尾崎豊のような歌手が生まれた背景、そして彼が大勢の共感を呼んだ時代背景を表している。

影響:多感な思春期真っ只中の彼女らは、社会が変化する中で生まれる摩擦や、競争社会を生きる厳しさに耐えることを強いられていた。そんな彼女らの心の声を代弁してくれる存在として、尾崎豊は大きな支えとなっていた。破壊的なパフォーマンスと赤裸々な歌詞を歌う尾崎豊の影響で、「社会とは不条理なもので若者はその社会でもがきながら生きている」というイメージが多くの若者の共通認識となった。

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法務省ウェブサイトhttps://www.moj.go.jp/content/001128569.pdf

 

  1. 5.   成人期 (198612月~91年頃 – 2025) 「バブル期」

この世代の女性たちが20歳の頃にバブル経済が始まり、彼女たちは新社会人として夢と希望に満ちあふれ、そして遊びの楽しさを覚えた。更に86年には男女雇用機会均等法が施行され、彼女らは女性としても社会人としても後押しされる状況となった。91年にバブルが崩壊した後も、数年間は実生活で不況を実感することは無く、崩壊と同時にオープンしたジュリアナ東京で踊り狂った。彼女らがワンレン・ボディコン姿でジュリ扇を振り踊る様子はバブル時代を象徴する光景となった。

影響:若さもあり、収入もあり、バブル経済を最大限に楽しんだ彼女たちは男女雇用機会均等法の施行によって更なる自信をつけたと考えられる。女性も社会進出していくことが期待され、男性と闘っていく時代への突入に対していくらかのプレッシャーを感じた人もいたかも知れない。しかし女性であっても男性と同じように権力を持ち、尊重されるべきだという自意識が強化された女性も少なくないのではないだろうか。

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  1. 6.   成熟期(1990年代前半 – 20歳後半)「バブル崩壊後」

バブルが崩壊し2-3年経った頃、いよいよ不況が人々の生活にも浸食してきた。中でも深刻だったのは雇用問題であり、当時40歳くらいの従業員を中心としたリストラや、即戦力を必要とする企業の新卒採用の削減、また、非正規雇用の増加が社会問題となった。

影響:世の中は大不況であったが、当時20代後半だった彼女たちは続々と結婚し、家庭に入っていったため、社会の不況と接する機会は減っていた。しかも夫はリストラのコアな対象とは外れた世代だったために、さほど時代の厳しさに直面せずに毎日を過ごしていたと思われる。

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  1. 7.   雌伏期(1995年~2010 – 30歳~45歳)「阪神・淡路大震災&地下鉄サリン事件」

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では6000人以上の死者や行方不明者を出し戦後、東日本大震災が発生するまでは最大規模の地震災害となった。同95年の3月20日には地下鉄サリン事件が発生し、いずれも日本だけでなく世界中を震撼させる出来事となった。

影響:子供を出産する人が増えてきた時代に起きた、社会を覆すような二つの衝撃事件。自分のことだけでなく、新しい家族を持ち始めた新米ママの女性たちは更に強い不安と恐怖を感じたに違いない。これまではどちらかと言うと自我のために走り続けてきた彼女らだが、出産後は子育てに邁進し、ようやく大人しくなったかと思われた。

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  1. 8.   復活期(2010年以降 45歳~)「勝ち組&美魔女のキーワード」

2010年頃、テレビや雑誌では「勝ち組」や「美魔女」という言葉が頻繁に聞かれるようになった。

影響:子育ての時期は比較的大人しくしていた彼女らだが、子供が親の手から離れた頃から再びその本領を発揮しはじめた。彼女らは自分を他人と比べて優越をつけることにこだわり、「勝ち組」に属することを一番の目標とした。

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総括

時代の波に揉まれてきたバブル世代の女性たちは、思春期は竹の子族として踊り、成人後はお立ち台の上で踊り、各時代で踊り続けることで自分の存在を周りに見せつけ自意識を高めていった。

彼女らが40代に突入した近年、「美魔女」という言葉をメディアでよく見聞きするようになったが、これこそが彼女らが再び「踊り始めた」表れなのかも知れない。彼女たちは外見やお金を重視するあまり、マテリアルな物を充実させ、それらを周りに見せびらかすことで満足感を得ることを再び始めたように思える。

競争社会を生き抜いた彼女たちにとって、自分を周りと比較してしまう癖があるため、常にその勝負に勝たなければならない衝動に駆られているのかも知れない。そしてその勝負の勝敗を明確にするものこそ、美やお金である。

2003年にSMAPがリリースした「世界に一つだけの花」は「No.1にならなくても良い」で始まるフレーズが人々の心に響き大ヒットしたが、この世代の女性達はこの歌の主題とは正反対であり、「勝ち組になるために」というのが永遠のテーマであると思われる。

そして「この勝負に勝つためならば・・・」と闘志を燃やす彼女たちこそが、いわば「浪費」を期待できる消費者であり、マーケティングの対象として最も興味深いターゲットなのかも知れない。

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