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2014年12月10日

2014年トレンドコスメに見る女性像の変化

以前の百貨店化粧品フロアに関する記事で、化粧品ビジネスは非常に安定した業界である、と述べた。その通り長期に渡って続いた経済不況により、個人の消費が低迷していることと、少子高齢化によって消費者数そのものが減少しているにも関わらず、順調にプラス成長を続ける数少ない業界である。

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BBクリームの登場

安定した売り上げをキープしている一方、成熟市場ともいわれ、今後爆発的な飛躍が期待できない、とされる化粧品業界であるが、その中でも近年その成長に注目すべき製品カテゴリーがある。2008年、韓国コスメがきっかけとなって起こったBBクリームブームをご存知だろうか?

 

頭文字のBBとはブレミッシュ・バルムの略称である。元々はドイツの皮膚科医が開発した、ピーリング後にダメージを受けた肌を修復する目的のクリームが原型であった。美容整形が盛んな韓国で、施術後の肌の赤味を抑え、沈静化させることの出来るアイテムとして、日焼け止めやコンシーラー、またはファンデーション代わりにもなる等、多くの機能を兼ね備えたBBクリームが誕生した。

ここに、当時の韓流ブームも重なり、BBクリームは、日本においてもドラッグストアやバラエティストア等の低価格帯を中心に大ブームとなった。その売り上げは、高級化粧品ブランドにおけるファンデーションのシェアを脅かすまでとなり、イヴ・サンローランやエスティローダー等の高級ブランドも次々とその市場に参入した。

その後、BBクリームのスキンケア効果をより高め、ナチュラルな仕上がりが特徴である進化版のCC(コントロール・カラー)クリームが発売され、多機能ファンデーションは、今やベースメイクアイテムの立派な一つのカテゴリーとなっている。

このような多機能型コスメの台頭はベースメイクだけに留まらず、つけているだけで唇の乾燥をケアするリップグロスや、まつ毛ケア効果を訴求した美容液成分配合のマスカラなど、そのバリエーションを続々と広げている。

これらの多機能型コスメは、単価が低いこともあり、業界の全体の売り上げにおいては、まだまだ規模としては小さい市場であるが、これからの化粧品業界にとって成長を牽引する重要なキーワードになると思われる。

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韓国コスメETUDE HOUSEのBBクリーム                         シャネルのCCクリーム

 

以前は、化粧品といえば、肌に対して負担となる物、という考えが前提であった。無添加・無着色を謳ったブランドが人気であり、商品はいかに肌に対して負担が無く、低刺激で安全であるかが重要とされ、余計なものが何も入っていない事が良いとされていた。いわば引き算による差別化が主流であった。

しかし2014年の今、以前とは反対に様々な美容成分が入っており、複合的な効果がある、という事が商品の魅力となってきている。これは以前とは逆の足し算による差別化と言える。

 

‘時短美容’の定着

多機能型コスメが人気の理由はやはりその利便性だろう。2014年11月にポーラ研究所が発表した女性の行動・意識に関する実態調査2014 メーク篇によると、女性の1日のはじめのメイク時間は2009年15.0分、2011年14.4分、2014年13.6分と年々短くなる傾向にある。つまり、日々の限られた時間の中で、効率的に綺麗になろう、という女性は着実に増えているのである。

また、昨年末に(株)リクルートライフスタイルホールディングスビューティ総研は、2014年のトレンドキーワードとして、スキマ時間にサクッとキレイになる行動を表す、「サク美」なるものを掲げていたが、この一年はまさにそのスタイルが定着した一年だったように思える。

女性の就業率がますます高まっていく中で、女性達は職場において今や男性と同等の立場で扱われ、忙しい現代女性達の時間に対する感覚はよりシビアなものとなっていった。女性達は、効率意識がとても高く、少しの空き時間も有効利用したいというニーズが非常に高まっているように思える。スマートフォンの普及は、ネットで簡単に当日の予約が可能な美容院やエステサロンのサービスを可能にした。また、“ながら美容”が出来るビューティ家電を利用するなど、現代女性にとって、今や美しさとは手間と時間をかけてじっくりと積み上げていくものではなく、無駄なく効率的に合理的に作り上げざるを得ないものなのである。

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2014年の理想の女性像とは?

ユニリーバジャパンが2014年1月に20代~50代の女性800人に行った、現代女性が今憧れる女性像についての調査では、日本人女性の美点として可愛い、優しい、を抑えて「芯の強さ」が一位に挙がった。また、実に6割強の女性が「カワイイ路線」や「女子」から卒業しようという動きに共感するという。

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この背景には、やはりワークスタイルの変化に伴う、女性達の理想とする女性像の変化があるのではないだろうか。日本において長く続いたカワイイ女の子ブームは去り、女性達は男性に甘え、引っ張っていってもらうよりも、自分の力で決断し生きていく、と言う凛とした強さに魅力を感じ始めていると思われる。

これが、時短効率と美しさという相矛盾したニーズをサポートするツールとして、多機能型コスメが誕生した流れではないだろうか。多機能型コスメの市場が拡大するほど、日本に美しく且つ強い女性が増えていく、と言えるのではないか。

ちなみに、2014年秋冬パリコレクションのランウェイでは、多くのブランドのモデルのメイクにおいて、ここ数年に渡り長く続いたリップメイク主流からアイメイク中心への回帰が見られた。その力強い眼差しは日本女性の憧れる、凛とした美しさを表しているのだろうか?

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             2014年秋冬のパリコレクションより: ダナ・キャランとイヴ・サンローラン

 

参考・引用文献

化粧品市場に関する調査結果 2014 – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

化粧品市場に関する調査結果 2013 – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

EconomicNews(エコノミックニュース)

日経プレスリリース

BBクリームとは?~BBクリームの意味・歴史と機能の魅力~-ドクターシーラボ公式通販

CC CREAM – CHANEL Skincare

ポーラ文化研究所|化粧と生活の調査レポート|レポートPDF

効率的に賢くキレイになる!『サク美』女子たちが増加中 | 美容リサーチ、美容研究、美容レポートと言えばビューティ総研(Beauty 総研)

“脱カワイイ”志向が加速中!? 2014年、強く美しい“女前”な女性がトレンドに|ユニリーバ・ジャパン株式会社のプレスリリース

2014-15秋冬コレクション総括。トレンドアイメイクTOP6を発表! ( page 4 ) | VOGUE#moveto#moveto#moveto

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