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2013年11月29日

7年ごとに見られる若者の変化した姿 ~第2回:草食系男子こそがバランスのとれた社会を形成する平和主義者たちなのか?!~

前回の投稿では、1999年に登場したヤマンバギャルについて、彼女らこそが肉食系女子を形成した集団ではなかろうかと書かせて頂いた。今回は、今やすっかり定着してしまったが、2006年に誕生した「草食系男子」についてその実態を探りたい。「草食系男子」とは2006年に、コラムニスト・編集者の深澤真紀が命名したものである。その定義は、『恋愛に「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々とした「草食男子」』としている。

ファッション代表的な草食系男子の特徴として、バリバリの営業職よりは、事務雑務をそつなくこなすタイプ。物腰は柔らかく、会社の同僚からも好かれている。出世をしたくない訳ではないが、多くは望まない。出世する事により激務になるなら、出世はしたくない。また、家事においても、料理・掃除何でもこなせる。恋愛は、もちろんしたいと思っているが、アプローチが苦手で恋愛に発展するまでが大変。服装と言えば、ユニクロ系、メンズノンノ系、ノーブランド系といった無難で攻めないファッションである。Source:草食系男子の実態

というように、完全に、攻めというより非攻体制に入っており、失敗や危険とは無縁、いかにも平和や調和を保ちたい姿勢が覗える。特に目立った欠点もなければ、優れた特徴もない。

なぜこのような草食系男子が生まれたのか、その社会背景はたくさんあげられるが、まず、女性の社会的の地位の向上と男女平等意識の浸透化が大きいと考えられる。1986年に制定された男女雇用機会均等法をはじめ、1999年には男女共同参画社会基本法が制定されるなど、世の中は、男女平等を常に目指してきた。ちょうど1990年代後半、少子高齢化が問題視されるようになり、労働人口の確保が必要となった。これまでのように男性が中心の社会ではなく、女性の積極的な社会参画なしには国の存続が難しくなったのである。そのため、男女平等であることが今まで以上に必要になり、この法律が制定されたようだ。また、この頃、大手企業が次々に倒産し、大手企業で出世することで安定した生活を得られるという概念が崩された。自分に負荷をかけてまで出世して痛い目に遭うくらいなら、身の丈にあったポジションで平和に暮らしている方がましと思うようになり出世欲を持たない男性が増え始めたのではないか。

そんな中、従来の日本社会に存在していた男性が主で、女性が従という社会権威構造は崩壊し、2006年頃までには完全に崩壊していたのである。戦後、日本は平和と平等の社会づくりに向けて様々な取り組みを行ってきた。軍隊制度は廃止され、男性は兵役に出て国のために一生懸命戦うことがなくなり、男性性を発揮する必要がなくなったのである。また、産業構造の変化により、ブルーカラーの人口が減少し、ホワイトカラー中心の世の中に変わった。かつてのように体力を重視した男性は都心では不要となり、細やかな気遣いができる優しい男性が必要とされる世の中になったのである。

料理する男子このように、時代の変化に伴い、従来男性がもっていた男性性(肉食性)を社会で発揮する必要がなくなってしまった。世の中に、社会、家庭、行政など、様々な面において男女平等の意識が高まったため、女性も、男性に「男性性」を求めるよりは、家事分担等の女性性を求めるようになった。男性は社会や家庭内で演じる「キャラクター」がなくなってしまい、バランスや平等こそが世の中を上手くわたっていく方法だといち早く察し、草食系という新しい立ち位置を発見したということになるのだろう。

草食系男子の良いところは、パートナーの女性とよく話し合ってコミュニケーションを取りながらものごとを決めていきたいと思っているところである。これこそが、男女共同参画社会を作り上げていくときに、男性側に求められる必須の能力ではないだろうか。時代は、もはやワーク・ライフ・バランスが重要視されるようになり、バランスや調和が求められる時代である。ヤマンバギャルが、肉食系女子や実力社会の土台を作ったのであるならば、草食系男子は、男女平等でバランスのよい社会の形成には欠かせない平和主義集団ではないか。

 

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