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2013年08月30日

やめられない止まらない『ポコパン』

画像スマートフォンの普及により、ゲーム市場は従来のゲーム機型からオンラインやスマートフォンゲームへと移行している。スマートフォンと言えばSNSであるが、中でもLINEは、利用者数が先月7月に全世界で2億人を突破し急速に利用者数を増やしている。そのLINEから『ポコパン』というパズルゲームが今年5月下旬に発表され、サービス公開からわずか72日で世界累計1000万ダウンロード突破という記録を作った。

実は、私もつい最近、『ポコパン』のユーザーの仲間入りを果たしたのであるが、気がつけば、全くゲームとは無縁であった私が毎日ポコパンをプレイしており、すっかりポコパンの虜になっているのである。これまでにはまったゲームといえば、数えるくらいしかなく、どれもこれも、自分の意思で始めたものはなかった。そんな私が、なぜこの『ポコパン』にはまったのか、ゲーマーでもない人たちを次々に虜にしてリピート客を増やすトリック、そしてこの短期間でここまでの顧客の獲得に成功したわけを探ってみたい。

ビジネスを成り立たせるためには顧客が必要なのは当たり前だが、ビジネスを支える軸になっているのはリピーター客であると言われている。また、ビジネスを拡大するためには新規顧客の獲得が重要ではある。しかし、これには莫大な費用と労力が必要である。

『ポコパン』が採ったリピーター客の拡大と新規顧客の獲得方法は、ユーザーを上手く使った実に賢いやり方であることが覗える。

まず、リピーター客を作るためには、ゲームにはまってもらう必要があるのだが、『ポコパン』の虜になるトリックとして、次のような仕掛けがかけられている。

ゲームの仕組みとして、1回1分のゲームを5回連続でプレイすることができるのだが、その後は12分間プレイできない。決められた時間内でしかプレイすることができないという制約によって、もっとやりたいという気持ちを起こさせ、次のプレイを待ち遠しくさせるのである。また、「ゲームは時間の無駄」という考えも持つ人たちに対しても、時間の制限をかけることによって時間の無駄とは思わせないようにし、気軽にプレイできるような心理作戦を仕掛けているのであろう。このように、敢えて時間を制限することで、ユーザーを飽きさせないトリック、プレイするモチベーションを維持する仕組みを作っているのだと考える。

その他にもランキングシステムがあり、自分の得点が友達プレーヤーの間で表示され、ソーシャルゲームの要素を取り込むことによって競争心を燃えさせる。得点は、1週間ごとにリセットされるので、常に得点争いが行われるようになっている。つまり、ゲーム初心者でも、上位にランクインする可能性があるので、期待を持たせることができる。こういったところでもモチベーションを維持させる仕組みをしっかり作っているのである。

時間の制約があると先ほど申したが、どうしてもその間を待ちきれない人は友達にクローバー(※クローバーは、1回のプレイに1つ必要であり、初めは5個与えられている)を申請することで1回プレイできる。申請された友達はLINEにメッセージが送られてきて、ポコパンの存在をリマインドさせられるのである。これは、たとえ一度ポコパンを辞めた人や興味を失いかけている人に対しても、友達からアプローチをかけることで、自然な流れでゲームに再度誘い込んでいるようである。

次に、新規顧客の獲得だが、通常、企業はここに莫大な広告費や労力をつぎ込み、ターゲットを絞ってマーケティング活動を行うのである。しかし、ポコパンの場合は、莫大な費用をつぎ込むことなく、ターゲットも絞らず、いとも簡単にリクルートしていることがわかる。

その仕組みとは、友達をゲームに招待することである。私も始めたきっかけとしては、友達からLINEに送られてきた招待を何気なく承諾したことである。ただ招待するだけでは招待する側にはメリットはないが、招待することによって攻撃力アップに繋がるポイントをもらえるのである。私もその招待を簡単に承諾してしまったように、友達からの招待というところに受け入れやすさがあるのである。そして、ランダムにLINEの友達を招待することができるので、ターゲットを絞ることがない。こうして、通常莫大な費用がかかる新規顧客の投資を、ユーザーの手を使って省いているのだろう。

このように、時間の制約をかけることや、ユーザーを利用することによってモチベーションを維持させ、ゲームから逃げられない仕組みを作りリピーターを増やすというところに賢明さを感じる。私もきっと飽きた頃に、友人からのアプローチがあり、いつまでたっても抜け出せない状態が続くのだろう。

 

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