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IT・ガジェット調査の対象者リクルートについて
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調査事例

IT・ガジェット調査の対象者リクルートについて

2024/05/31
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はじめに

こんにちは!調査のリクルート・コーディネーターを担当している松岡です。
スガタリサーチでは、一般消費者を対象とした調査を多く実施しています。
その調査の中でも、私はITサービスやガジェット製品関連の調査を多く担当しています。
今回は、これまでに担当をしてきたIT・ガジェット調査の対象者リクルートについてお話しします。

 



▼目次

①これまで担当してきたIT・ガジェット調査

②IT・ガジェット調査の対象者リクルートについて

③IT・ガジェット調査で意識していること

 

 


 

 

① これまで担当してきたIT・ガジェット調査

 先ずは、私がこれまでにリクルートの担当をしてきた過去5年のIT・ガジェット調査についてお話しします。

振り返ると、その年のトレンドに関わる調査に携わっており、技術の進歩、トレンドの急速な変化を、調査を通じて実感してきた5年間でした。

 

 コロナ禍の2020年、2021年は、「スマートスピーカーやIoT製品などの音声検索・操作の調査」や、「クラウドサービスやリモートワークの環境」についての調査を担当しました。その後、2022年以降からZ世代を対象とした調査が増え、「若年層のSNS利用やネットショッピングなどの調査」のリクルートを行ってきました。そして、2023年に入った頃からは、「ブラウザ検索や生成AI・大規模言語モデル(LLM)の利用についての調査」の担当が増えていき、2024年頃からは「シニア層を対象としたスマートフォン・PC利用の調査」も担当するようになりました。そして、上記のようなその年のトレンドを問わず、毎年定期的に「VRデバイスに関する調査」も担当し、最先端のデバイスを利用している方々のリクルートにも携わってきました。

 

 このように、スマートフォンなどの身近な製品からVRデバイスなどの最先端の製品までバリエーション豊富な製品の調査を担当し、またZ世代からシニア層までの幅広い年齢層の方や、テクノロジーが苦手と感じる方から最先端の技術を好む方まで、様々なお立場の方をリクルートしてきました。
担当したいずれの調査もIT技術やサービスの向上をテーマとしたものとなっており、それぞれ対象者のリクルートを通して、多種多様な方に対応した技術発展と更なる技術進歩の必要性を感じることができました。

 

② IT・ガジェット調査で対象者リクルートについて

前述の通り、様々の方をリクルートすることが多いIT・ガジェット調査ですが、ここではそのリクルートについて簡単にお話しします。
IT・ガジェット調査では、主に以下の3つの方法で、調査の内容に応じて、対象者のリクルートを行っています。

 

1. 消費者パネルを使用してリクルートする

2. 機縁のリクルーターから対象者をご紹介いただく

3. 調査依頼元企業から自社の顧客の中で調査へ協力意向のある方をご紹介いただき、その中からリクルートする

(調査依頼元企業の意向により使用します)

 

 先ずは、「1:消費者パネルを使用してのリクルート」についてお話しします。
IT・ガジェット調査は、調査のテーマにもよりますが、ターゲットとなる対象者のガジェットの使用状況、使用環境がとても幅広い事から、様々な年齢・性別に対して、それぞれに所有しているデバイスの種類やそのOSの種類を掛け合わせた、複数通りにわたる方々をバランスよくリクルートするケースが多いです。その為、弊社で保有しているパネルや、大規模パネルを保有する会社に協力を依頼し、出来るだけ多くの方々にアンケートを配信してリクルートを進めていきます。

 続いて、「消費者パネルからのリクルート」が難航した場合や、「若年層・Z世代」、「親子や友人同士のペア」といった対象者をリクルートする際には、それぞれのケースのリクルートに強い「2.機縁のリクルーター」に協力を依頼し、消費者パネルと並行して多方面から対象者のリクルートを進めていきます。

 そして、日本ではまだ普及していない商品を保有する方など、消費者パネルや機縁のリクルーターからのリクルートでは難しい場合には、調査依頼元企業の意向により「3. 調査依頼元企業から自社の顧客の中で調査へ協力意向のある方」をご紹介いただき、その中からリクルートを進めていく場合もあります。

 このようなリクルート方法で対象者の候補を選定し、選定した対象者がより調査テーマに合致しているか、座談会やインタビューでご意見などをお話し頂けるかどうか、対象者としての適正判断をするために、事前に候補者と直接話し、アンケートの回答内容等を確認します。全ての候補者へのお電話確認をさせて頂き、最終的な調査対象者を決めていきます。

アンケート応募者の中には、これまでに定性調査にご参加された経験が無い方や、特に調査依頼元企業から対象者をご紹介いただくケースの場合には、そもそも定性調査をあまり知らない方が多く、不安に感じられる方も見受けられます。その為、事前のお電話確認の際には、対象者が少しでも安心していただけるように心掛け、調査の内容や個人情報の取り扱いなどについてご説明、調査に対してご不明な点などをお伺いするなど対応をしています。対象者の適正判断と併せて、調査目的の明確化と個人情報保護の徹底にも勤めて、対象者のリクルートを行っています。

 

 ③IT・ガジェット調査で意識していること

 ②でお話した通り、私たちコーディネーターは、対象者の知識や経験を適切に評価し、調査テーマにあった方を決めていくスキルが求められます。ここでは、「調査対象者の適正判断」について、私が意識していることについて、お話しします。

IT・ガジェット調査は、その調査テーマに関わるIT全般の知見が必要とされますが、急速な技術発展により日に日にトレンドが変化しており、常に最新の情報をキャッチアップすることは容易ではありません。また常にIT・ガジェット業界の動向を追い続けることが大切ですが、それだけでは製品の操作や体験面で十分に知見や情報がカバー出来ていないと感じる時があります。そのギャップを埋める為に、私個人で日々心掛けていることは、「興味がある製品の場合は、製品を購入し、日常生活で使用していく」ことです。

 日頃から最先端製品に手に取って使用することで、商品の製品ページからでは読み取れない手触りや感触、また製品のメリットなどが分かります。毎回のリクルートで、自身の経験や知識を活用し、「自らも調査テーマの対象者」になった事をイメージしつつリクルートを行っています。そうすることによって、調査対象者への条件の確認漏れや条件違いの方のリクルートを防ぎ、調査の質を向上へと繋がっていきます。私は製品の開発者ではありませんので、新商品を生み出すことは出来ませんが、調査の度に自身の経験や知識をリクルートに役立たせ、「更なるITサービスやガジェット製品の発展に貢献していく」と信じ、業務に取り組んでおります。

 

 おわりに 


今回は、IT・ガジェット調査のリクルートに関する内容をお伝えしました。
IT・ガジェット調査という先進的なテーマであっても、対象者として的確か否かの確認を電話というある種アナログな方法を用いており、製品情報や調査の目的を理解したコーディネーターが行っています。候補者全員に電話するのは決して容易な作業ではありませんが、「対象者一人一人のお声がより良い調査・製品開発へつながっていきますように」と思いながら、私はリクルートを行っております。

また、普段からIT・ガジェット製品を購入及び利用し、その知識や経験を生かしたいと思っている方がいらっしゃいましたら、それらの知識がコーディネーターの業務で役に立つかもしれません。

もしこのコラムをお読みいただいている方の中で、少しでもリクルート・コーディネーターという仕事に興味が湧いた方がいらっしゃいましたら、とても嬉しく思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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