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【年代別調査】 年表編:F1層 20-34歳(女性)
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調査事例

【年代別調査】 年表編:F1層 20-34歳(女性)

2015/04/16
REPORT

年代別分析、第3回目の今回の投稿では、1981年から1995年の間に誕生した中で、いわゆる「アラサー」女性に注目。生まれてからこれまでの時代的な背景を元に、それらは彼女たちの価値観にどのような影響をもたらしたのかを年表形式で考察する。

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1.誕生(1980年代)「1989年 消費税が税率3%で導入」

N1

彼女たちが物心付いた頃には、それまで続いたバブル経済は既に崩壊しており、日本は平成の不況へと突入していく。財政再建の目的で、導入された消費税は、家計を圧迫し、個人の消費を低迷させた。

影響:幼少期を活気の無い日本経済の中に育った彼女らは、親世代に見られた高級品、嗜好品に対する興味・関心が薄く、消費に対しても慎重な姿勢を持つようになる

2.幼少期I(1993年 5歳)「美少女戦士セーラームーン アニメ放送開始」

N2

それまでの少女アニメの主人公とは異なり、事件を魔法で解決するのではなく、仲間と共に自ら戦い敵を倒す、という全く新しい女性ヒーローとして誕生したセーラームーン。‘戦うヒロイン’として新しい少女アニメの分野を確立し、全国の女の子たちの間で大人気となる。以後、女性ヒーローという新たなジャンルを確立する。

影響:誰かに守ってもらうのではなく、自らの力で戦い未来を切り開いていくセーラームーンの姿に、当時子供であった彼女たちは将来の自分の姿を想像した。1986年には男女雇用機会均等法が施行され、男女共働き世帯も増加傾向にあった当時の日本。社会の中で男性と同等の扱いを受け自分の力で輝きたい、という思考を後押しした。

3.幼少期Ⅱ(1995年 10歳)「1995年 阪神大震災・地下鉄サリン事件」

彼女たちが小学生の頃、東日本大震災以前の最大の震災と、日本中を震撼させたオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こった。当時の被害は甚大なものであり、20年経った今でも、人々の心に大きな傷を残している。

影響:幼少期に大きな2つの事件を体験し、幸せな日常はあまりにも簡単に崩れ去ってしまうことを知った。目の前の現実を見据え、自分の力で生きていこうという意識が芽生える。

4. 成長期(1990年代後半 12歳)「インターネットの普及」

N3N4

彼女たちが小中学生となった頃、マイクロソフト社よりWindows95が発売された。これをきっかけとしてPCを購入する家庭も多く、当時はまだ珍しかったインターネットが、一般家庭にも急速に普及していく。その後、ドコモのiモードの登場により、携帯電話でのインターネット、Eメールが利用可能となり、インターネットは彼女たちの生活の中に根付いていき、IT時代の幕開けとなる。

影響:以前よりも膨大な量の情報が簡単に入手可能となり、彼女たちの知識や興味・関心を大幅に広げるきっかけとなった。ボーダレスに日本中、或いは世界中と繋がれることで、多種多様な考えを受け入れるようになった。一方、何でもインターネット頼りになってしまったことから、直接的なコミュニケーション能力や、思考力の低下の始まりになったともいえる。

5. 青春期(1990年代後半-2000年代前半 15歳)「ヤマンバギャルの登場」

N5

彼女たちが中・高生の頃、突如渋谷に登場したヤマンバギャル。日焼けサロンで真っ黒に焼かれた肌とは対照的に、唇や目周りなどを真っ白に塗られた個性的なメイクが特徴的であった。奇抜な格好で街へ繰り出し、‘ギャルサー‘の仲間と夜な夜な街を闊歩する少女たちの中には、家出を繰り返している者もおり、世間では援助交際等の社会問題への繋がりも懸念された。

影響:ギャル系、ロリータ系など特定のカテゴリーに収まり、同じ趣味・嗜好を持つ者同士集まる事で関係を確認し、仲間意識を持つことで自らを安心させようとする傾向が生まれた。

6.成人期(2000年代前半 25歳)「就職氷河期」
彼女たちが社会人となる頃、日本は世界的金融危機の影響により大きく景気を後退させ、非常に厳しい就職難の時代を迎えた。かつて売り手市場と言われた新卒の内定取り消しが相次ぎ、就職できずに自主的に留年する学生達も多く見られた。

影響:学生生活を終え、新社会人としてまさにこれから世の中で活躍しようと意気込む時期にあまりに厳しい現実を突きつけられた。高望みはせず、冷静に自分の価値を分析する姿勢、厳しい現実の中だからこそ安定を手に入れたいという志向が生まれる。

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7. 成熟期(2015年 30歳)
本来、アラサー女性たちは、世間一般ではいわゆる「ゆとり・さとり」と揶揄される世代である。しかしこれらの特徴は、主にこの世代の男性のネガティブな側面として表現される事が多く女性には殆ど使われない。好景気を1度も経験せず、経済的に非常に暗い時代の中育ってきた世代ではあるが、男性と違ってアラサー女性は、それらの経験から、極めて現実的な視野を持ち、合理的で冷静な判断を下す、むしろ非常に高いサバイバル能力を持った世代になっているのではないか。この辺りの性差についてはまた次回考察してみたいと思う。

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