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【年代別分析】 年表編 世代:ティーンズ(女性)
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調査事例

【年代別分析】 年表編 世代:ティーンズ(女性)

2015/04/02
REPORT

「各年代層の価値観やトレンドを分析することにより、年代層の有効なアプローチやチャンネルを理解する」ことを目的に連載新企画といたしまして「年代別分析」の投稿を開始いたしました。連載第一期は「各年代の時代背景の理解」にフォーカスします。

今回は、1996年から2004年の間に生まれたティーンズの女性を対象に、彼女たちが育った環境を理解するというテーマの下、彼女たちが生まれてから現在に至るまでの主な出来事をいくつか挙げ、その出来事が彼女たちの価値観形勢にどういった影響があったかも添えました。

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1. バブル崩壊後に誕生 「生まれてから6歳まで」
地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災、山一證券、北海道拓殖銀行破綻

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彼女たちの生まれた前年(1995年)には地下鉄サリン事件、阪神・淡路大震災、そして誕生後には相次ぐ金融機関や企業の倒産などバブル経済が崩壊を迎え、日本社会は、システム自体の見直しを迫られた。
→ バブルジュニアの親たちは、非常に良い経済状況の中で贅沢を享受することを良しとしてきたが、バブルジュニアが誕生したころには、リストラや失業などをする人々が多かったために、社会全体に節制や安定を求める風潮が高まった。

2. ヒルズ族と出会い、衝撃 「小学校低学年」
六本木ヒルズの開業

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バブルジュニアの彼女たちが小学校に入学した2003年にはお金持ちの象徴である「六本木ヒルズ」が開業した。また、2004年のプロ野球再編問題や、2005年のメディア買収騒動の主役となったライブドア元社長堀江貴文の登場で、六本木ヒルズが、「セレブ文化の発信地」として認識されるようになり、「ヒルズ族」という言葉が注目されるようになった。
→ 六本木に住む「ヒルズ族」の持つ「お金もちになれば、幸せになれる」という金銭に関する価値観は、不景気の中に生まれた彼女たちには新鮮で衝撃的なものとして受け止められ、中には「人生の目標」のように掲げる子どももいた。

3. やはり堅実・安定・現実志向へ 「小学校高学年」
ライブドア元社長堀江貴文氏逮捕、村上ファンド強制捜査、金融危機

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彼女たちが高学年になると、あれだけ話題を集め、祀り上げられていた「ホリエモン」の逮捕や村上ファンドへの強制捜査など、「ヒルズ族」の転落が相次いだことや、金融危機が世界に波及し、日本経済にも大きな影響を及ぼした。
→ この年、初めてなりたい職業ランキングから「芸能人」が圏外になった。これは、お金持ちになっても、ズルをして痛い目に遭う大人がいることや、景気の低迷することを目の当たりにして、「ハイリスク・ハイリターン」の職業に就いて一角千金を狙うよりも、堅実で安定した職業に就いて地道に努力することに関心を強めたことが背景にあると考えられる。

4. 若くして世界の崩壊を体験。そして「絆」の大切さを目の当たりに 「中学生」
東日本大震災

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2011年3月11日に国内史上最大の数値、マグニチュード9.0の地震が起きた。地震直後、観測史上最大級の津波が東北地方を襲った。また、地震の影響により福島第一原子力発電所が自動停止し、その後爆発を起こし、大気中や水に放射性物質がばら撒かれた。そして、2011年の漢字は「絆」に決まった。
→ 東北エリアに限らず、日本全体が影響を受けることとなった大震災を多感な時期に経験した。また、震災を通じてTwitterを通して安否の確認をとったり、全国で節電に取り組んだりと、命・家族・コミュニティの大切さを考えさせられた。

5. 世界が日本に注目。震災後の日本、励まされる 「中学・高校生」
「なでしこジャパン」がサッカー女子W杯で初の世界一、世界遺産に富士山が登録、2020年夏季五輪は東京に決定

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日本が初めて決勝まで進むことができたW杯で、FIFAランキング1位のアメリカとの決勝戦がドイツ大会最終日(2011年7月17日)に行われた。2-2の同点からのPK戦で3-1の得点で見事1位に輝いた。
また、2013年には富士山が世界遺産に登録され、2020年夏季オリンピックが東京で開催されることが決まった。
→ 東日本大震災のあと、日本が一致団結する姿が見受けられた。それを象徴するかのように女子サッカーチームは厳しい環境のなか諦めず、見事世界一になった。また、富士山が世界遺産に登録されたことや五輪開催地に東京が選ばれたことなども日本が一丸となって協力し、最善を尽くした結果である。これらより、日本が日本を持ち上げようとしている姿勢が見られたのではないだろうか。そして、チームワークの大切さ、一つとなって頑張ることで苦しい中でも努力は報われ、皆で喜びを分かち合うことができるということが印象に残った。

6. LINE: いつでもどこでも無料で話せるのがあたりまえ 「高校生」
LINE利用者が1億人から3億人を10ヶ月で超える

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年始にLINE利用者が1億人を超えたというニュースがあったのち、わずか10ヶ月で3億人を越えた(2013年)。
→ この世代のコミュニケーションシステムが伺えるニュース。いつでもどこでも秒単位で繋がっていられる時代になり、バブルジュニア世代の中ではネットとスマホがデフォルトになっていることを物語っている。また、無料にインストール・使用できるからこそお金に厳しいこの世代のなかでここまで浸透させることができたのではないだろうか。東日本大震災の名残もこのユーザー数に影響があったかもしれない。LINEによって気軽にコミュニケーションをとることが可能になった一方で、常時繋がっていられるからこそ一時も誰かとつながっている状態から離れられず、窮屈さや、不便さ、煩わしさなど感じている人も多いのではないだろうか。今後は、「四六時中繋がっている生活」からの開放を求めて、LINE離れをする者も出てくるかもしれない。

7. 消費税率引き上げで、財布の紐はさらに固くなる 「高校生」
消費税5%から8%へアベノミクスの設定で2014年より消費税率が5%から8%へ上がる。
→ 生まれたときから金銭的に難しい環境のなか育ってきたバブルジュニア世代。アルバイトやお小遣いなどで少々買い物ができるようになった年頃でも、消費税が上がり、幼い頃から根付いている厳しい金銭感覚は補強された。

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8. 2015年 「大学入学」

不況、災害などが続き、現実を見ないといけなかったことが多かったバブルジュニア世代女子。その反面、世界の視線を集めることもあった日本。日本経済は回復し始める期待もあり、東日本大震災から4年が経つ。日本は回復しつつあるかもしれないが、不況のなかで育ってきたこの世代は未だ金に厳しく、現実的な視線で落ち着きと安定感を求め大学生活をスタートするのでは。

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