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日本の癒し文化とその可能性
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日本の癒し文化とその可能性

2013/08/09
REPORT

アイキャッチ画像1 猫今更ながら、初めて猫カフェというもが気になり調べてみた。通常、流行り物は3年が寿命と言われる中、まさにそれだと思っていた猫カフェは意外にも根強く、しかし謙虚に流行を維持している様だ。実は世界で初めてとなる猫カフェは台湾の「猫花園」という店で1998年にオープンし、今でも営業している。Source:旅々台北.com日本では2004年に大阪でオープンした「猫の時間」が最初の猫カフェとなっており既に10年近く経っている。Source:猫の時間

そもそも私がなぜ今頃になって猫カフェに興味を持ったかと言うと、ヨーロッパから初来日することになった友人に、日本で訪れたい場所を聞いたところ真っ先に挙がったのが「猫カフェ」という意外な答えだったからである。最初は「なぜ猫カフェ!?」と面を食らったのだがよくよく調べてみると猫カフェは海外でも話題になっているとか。そのため、猫カフェには外国人観光客向けに英語のメニューが用意してあったり、ウェブサイトにも英語での説明が書かれている店もある。どうやら日本に来て猫カフェを訪問する観光客は少なくないようだ。

そもそも私達日本人にとって猫カフェとは癒しを求めて猫好きの客が集う場所であるが、「癒し」というコンセプトそのものが、日本が創り上げた独自のバリューであると考えた場合、猫カフェに来る観光客は、店そのものを楽しみに来ているだけでなく、猫カフェの流行と定着の背景にある日本人の価値観に触れ理解しようとしているのかも知れない。

癒しという言葉は色々な場面で日常的に多用されているが、改めて言葉の由来について調べてみた。すると本来は「癒える」「癒す」という言葉だったが、1980年代に起こった「癒しブーム」から“癒し”という言葉が使われるようになったそうだ。

例えば自然に触れて気分がリフレッシュした時などに、「癒された」と表現することがあるが、言葉として使われるだけでなく癒しはコンセプトとして今や様々な商品やサービスに組み込まれている。

先ほど話した猫カフェももちろんそうだが、マイナスイオンやアロマなどの癒しグッズ、パワースポット巡り、ヨガ、マッサージなどの癒しを求めた娯楽、更にいわゆる癒し系と言われている「ゆるキャラ」など私達の生活は癒しに関連したもので溢れかえっている。

その他写真1その他写真2その他写真3  80年代に巻き起こった癒しブームの頃は、癒しそのものが新しい特徴であったが、10年近く経った今、癒しは様々な商品やサービスの基本要素、更には必須要素ともなっている。

実はドイツ、オーストリアとハンガリーでも既に猫カフェが登場しており、イギリスでも近々初となる猫カフェがオープンする予定だと言う。

◆ドイツで今年5月にオープンした猫カフェ “Café Katzentempel

◆オーストリアの猫カフェ “Café Neko

◆ハンガリーの猫変え “Cat Café Budapest

◆イギリスでオープン予定の猫カフェ “Lady Dinah’s Cat Emporium

猫に癒されたいと思う気持ちはヨーロッパの人々からも共感されているようであるが、もしかしたらこれが海外で普及した場合に、それをきっかけに日本の癒し文化が海外にも広がる可能性があるかも知れない。

最近はクールジャパンと言われる日本のアニメや漫画等の文化が海外に輸出され世界で注目を集めているが、日本の癒し文化がそれに続く日が来る可能性もあるだろう。そうなった場合、癒し文化は経済効果以外にも世界中の人々を癒し幸せにするという二つの大きなベネフィットを発揮するかもしれない。

 

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